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AWS SAAの勉強を始めようとしているが、何から手をつければいいか分からない——そういう人に向けて、PHPエンジニアがゼロから1ヶ月でSAA-C03に合格した具体的な勉強手順を書く。
私はAWSの実務経験2年・PHPエンジニアとしてのバックグラウンドからSAA-C03を受験し、一発合格した(スコア743点)。使った教材・スケジュールの組み方・模擬試験の回し方まで、再現性のある手順にまとめた。
なお、SAA合格後にSOA・DVAも取得してAWSアソシエイト3冠を達成した話や、3冠全体の攻略戦略については別記事で詳しく書いている。本記事はSAA一本に絞った勉強法の解説だ。
結論:PHPエンジニアがSAA-C03に合格するための最短ルート
先に結論を書く。SAAに最短で合格するためのルートは以下の3ステップだ。
- UdemyのAWS SAA講座(日本語・評価の高いもの1本)を通しで視聴する——2〜3週間
- CloudTechの模擬試験を繰り返し解く——残り1〜2週間
- 参考書でサービスの詳細を補強する——並行してつまみ読み
Udemy動画で全体像を把握 → 問題集で実力をチェック → 弱点を参考書で補強、というサイクルを回すのが基本だ。AWSの実務経験があるかどうかによってUdemy動画の視聴スピードが変わるが、大枠のルートは変わらない。
AWS SAAとは何か(アソシエイト3資格の中での位置づけ)
AWS SAA(Solutions Architect Associate)は、AWSを使ったシステム設計の知識を問う資格だ。アソシエイトレベルの3資格の中では「入口」に位置している。
| 資格名 | 略称 | 特徴 | 難易度感 |
|---|---|---|---|
| Solutions Architect Associate | SAA | 設計・構成が中心。3つの中で最も幅広いサービスを問われる | ★★★☆☆ |
| Developer Associate | DVA | Lambda・DynamoDB等の開発者系サービスが中心 | ★★★☆☆ |
| SysOps Administrator Associate | SOA | 運用・監視・セキュリティが中心。3つの中で最難関 | ★★★★☆ |
SAAは「AWSを設計する人」向けの試験で、EC2・S3・VPC・RDS・IAMといったコアサービスの役割と、それをどう組み合わせてシステムを構成するかを問う。「最もコスト効率が良い構成は?」「可用性を高めるには何を使う?」という設問が多い。
試験の合格ラインは720点(1,000点満点)。試験時間は最大130分で、問題数は65問前後。受験料は20,000円(税込)だ。
AWSアソシエイト3冠(SAA・DVA・SOA)のロードマップや取得順番の戦略については、AWS認定アソシエイト3冠の完全攻略ガイドに詳しくまとめている。「3冠全体を見渡したい」という人はそちらを先に読んでほしい。
PHPエンジニア視点でのAWS学習ハードル
PHPエンジニアがSAAを受けるときに感じるハードルを正直に書いておく。
PHPの開発はアプリケーション層が中心になりがちで、インフラを意識する機会が少ない人も多い。「EC2は知っているが、VPCのサブネット設計は曖昧」「RDSは使っているが、Multi-AZとRead Replicaの違いを説明しろと言われたら詰まる」という状態がスタート地点になりやすい。
ただ、これは逆に言えば「Webアプリのバックエンドを知っている」という強みでもある。EC2・RDS・CloudFront・Route53・S3といったWebアプリでよく使うサービスは、PHPエンジニアなら感覚的に理解しやすい。ゼロから学ぶというよりも「なんとなく知っているサービスを体系的に整理する」イメージに近い。
難しいと感じやすいのはネットワーク周りだ。VPC・サブネット・セキュリティグループ・NACLの概念は、コードを書く作業とは性質が異なる。ここは Udemy の動画講座でしっかり図解を見ながら理解するのが一番効率がいい。
勉強スケジュール例(1ヶ月・3ヶ月の2パターン)
勉強時間や生活スタイルによって2つのパターンに分かれる。自分の状況に近い方を参考にしてほしい。
1ヶ月パターン(1日1〜2時間確保できる人向け)
| 期間 | やること | 目安時間 |
|---|---|---|
| 1〜2週目 | UdemyのSAA講座を通しで視聴。メモを取りながらサービスの役割を覚える | 計20〜30時間 |
| 3週目 | CloudTechの模擬試験を解き始める。1回目は正解率50〜60%でOK。間違えた問題の解説を読む | 計10〜15時間 |
| 4週目 | 模擬試験を繰り返し解く。正解率80%以上を安定させてから受験日を確定する | 計10〜15時間 |
合計学習時間の目安は40〜60時間。AWS実務経験がある人なら下限に近く、ほぼ未経験の場合は上限寄りになる。
3ヶ月パターン(週末だけ勉強できる人向け)
| 期間 | やること |
|---|---|
| 1ヶ月目 | Udemy講座を週末2〜3時間ずつ視聴。焦らずサービスの全体像を把握する |
| 2ヶ月目 | 参考書を読みながら知識を整理。CloudTechの模擬試験を週1回ペースで解き始める |
| 3ヶ月目 | 模擬試験の繰り返し。弱点サービス(VPC・IAMポリシー等)を集中的に潰して受験 |
週末しか時間が取れない人でも、3ヶ月あれば十分合格を狙える。「じっくり型」は知識が定着しやすいというメリットもある。
教材の選び方と使い方
SAAの教材は大きく3種類ある。それぞれの役割と使い方を整理する。
Udemy講座(メイン教材)
動画で図解を見ながら学べるUdemyがSAAの入門として最も効率がいい。テキストだけでは分かりにくいVPCの設計やAWSサービスの繋がりを、視覚的に理解できる。
おすすめの選び方は以下の通りだ。
- 日本語音声で20〜30時間以上のボリュームがあるもの——英語講座は情報量は多いが、日本語の方が理解スピードが上がる
- 評価4.5以上・受講生数が多いもの——人気講座はSAA試験の頻出ポイントをしっかりカバーしている
- SAA-C03対応明記のもの——旧バージョン(C02)の講座は試験範囲がずれている場合がある
UdemyはセールになるとAWS講座が1,500〜2,000円で買えることが多い。定価は1万円超えるものも多いが、セールを待つ価値はある。
模擬試験(CloudTech)
Udemyで全体像を把握したら、次は問題演習に移る。私が使ったのはCloudTech(くろかわこうへい氏運営)の問題集だ。
CloudTechの使い方で重要なのは「解説を読む時間を惜しまないこと」だ。正解・不正解に関わらず、選択肢ごとの解説を丁寧に読む。「なぜこのサービスが正解で、なぜ他が間違いなのか」を言語化できるようになると、本番の試験でも初見問題に対応できる。
模擬試験の正解率の目安は以下の通りだ。
- 最初の1周目: 50〜60%でも焦らなくていい
- 受験直前の目標: 安定して80%以上
- 本番のリスクを下げたいなら: 85〜90%を安定させてから申し込む
参考書(補助教材)
私が使ったのは「AWS認定資格試験テキスト AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト 改訂第3版」(佐々木拓郎・林晋一郎・金澤圭・小西秀和 著)だ。Udemyで概要を把握した後、「このサービスの詳細がもう少し知りたい」というときに参照する形で使った。
参考書は通読しようとすると時間がかかりすぎるので、「辞書的に使う」のがおすすめだ。特にVPCのネットワーク設計やIAMのポリシー設定など、複雑なところは参考書の図解が分かりやすい。
→ 「AWS認定資格試験テキスト AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト 改訂第3版」(佐々木拓郎・林晋一郎・金澤圭・小西秀和 著)を楽天ブックスで見る
私が実際に使った教材と学習時間
参考までに、私が実際に使った教材と大まかな学習時間を公開する。SAAだけでなくSOA・DVAも並行して勉強した状況なので、SAA単体に換算するとおよそ以下の配分だ。
| 教材 | 使用期間・回数 | 評価 |
|---|---|---|
| SAAテキスト(佐々木拓郎他著) | 1周通読 + 苦手箇所を都度参照 | 基礎固めに必須。ネットワーク周りが特に丁寧 |
| CloudTech 問題集(SAA・SOA・DVA) | 3試験分を3〜4周 | 解説の質が高い。繰り返し解くほど力がつく |
| AWS公式のSAA試験ガイド(無料) | 受験直前に一度確認 | 出題範囲の確認用。無料なので必ず目を通す |
学習時間は正確には計測していなかったが、CloudTechの問題集を3〜4周繰り返す中で知識が定着し、本番のSAAは743点で合格できた。合格ラインの720点に対して23点のマージンがあった。
AWSの実務経験2年があったことで、EC2やRDS・CloudFrontなどは「使ったことがある」という感覚で読み進められた。一方でVPCの設計やIAMポリシーの詳細な挙動は、実務でそこまで深く触っていなかったため参考書でしっかり補強した。
なお、3試験を同時並行で勉強した実際の体験談(当日のスケジュール・スコア・試験会場の様子)はAWS三冠を同日受験して全合格した話に書いた。「3冠を同日で一気に取るという選択肢もある」ということを知っておいてほしい。
試験申込〜当日の流れと注意点
初めてAWS試験を受ける人向けに、申込から当日の流れをざっくりまとめておく。
申込の流れ
- AWS Certification アカウントを作成する——AWSアカウントとは別に、資格専用のアカウントが必要
- 試験を検索して予約する——「AWS Certified Solutions Architect – Associate」で検索。試験会場(テストセンター)またはオンライン監視(自宅受験)を選ぶ
- 試験会場・日時を選ぶ——Pearson VUEのシステムで予約する。主要都市には複数のテストセンターがある
- 受験料を支払う——20,000円(税込)。クレジットカード払いが基本
当日の注意点
- 身分証明書は2種類必要——日本語の免許証と英語表記のクレジットカードの組み合わせが一般的
- 試験会場には手ぶらで行く——荷物はロッカーに全て預ける。メモ用紙はテストセンターが提供する
- 試験開始時刻の15〜30分前には到着する——本人確認や説明に時間がかかる
- 試験中は問題をスキップしてフラグを立てられる——分からない問題は後回しにして全問を一通り解き終えてから見直す
AWS試験は試験終了直後に画面に合否が表示される(通過/不通過の判定のみ)。詳細なスコアと証明書はメールとAWS Certificationポータルから確認できる。
SAA合格後の次のステップ
SAAを取得したら、次に目指すべき選択肢は大きく2つある。
アソシエイト3冠を目指す(DVA → SOAの順)
SAAの次はDVA(Developer Associate)を先に取ることをおすすめする。SAAで学んだIAM・EC2・S3・VPCの知識が最も新鮮なタイミングで、Lambdaや開発系サービスの上乗せができる。SOAは3つの中で最も難しく、最後の仕上げに回す方が効率がいい。
アソシエイト3冠の具体的な攻略順・各試験の対策方法はAWS認定アソシエイト3冠の完全攻略ガイドにまとめているので参照してほしい。
AWS プロフェッショナルレベル(SAP・DOP)に挑む
フリーランス単価をさらに上げたいなら、SAAの上位資格であるAWS Certified Solutions Architect – Professional(SAP)も視野に入れていい。SAPはアソシエイト3冠を全て取得した後に挑戦する方がギャップが小さく、合格率も上がる。
まとめ:SAA勉強で重要な3つのポイント
最後に、SAAの勉強で特に重要だと感じたポイントを3つにまとめる。
1. Udemy動画で全体像を把握してから問題集に入る
いきなり問題集から始めると、なぜそれが正解なのかが分からないまま暗記に頼るだけになりがちだ。まずUdemy動画でAWSサービスの役割と繋がりを図解で理解してから問題を解くと、解説の内容が頭に入りやすい。
2. 模擬試験は「解説を読む時間」こそが本質
CloudTechを使うなら、問題数をこなすよりも解説を読む時間の方が重要だ。「なぜこれが正解で、なぜ他は違うのか」を繰り返し考えることで、試験本番の初見問題にも応用できる理解が身につく。
3. 受験日を先に決めてしまう
「もう少し勉強してから」と思い続けると受験日が決まらない。模擬試験で70〜75%を超えたあたりで先に受験日を予約してしまうのが合格への近道だ。締め切りがあると勉強の密度が上がる。受験料20,000円を払ってしまえば「絶対受かる」という気持ちにもなれる。
SAAはAWS資格の中でコストパフォーマンスが高い資格だ。フリーランスエンジニアとして単価を上げる手段としても、就職・転職時のアピール材料としても有効に機能する。PHPエンジニアであっても、AWSの体系的な知識は今後の市場価値に直結する。まずはSAAの一発合格から始めてほしい。

