AWSの資格を取りたいけど、SAA・SOA・DVAの3つをどの順番で取ればいいのか分からない——そう迷っているエンジニアは多いと思う。
僕はAWSアソシエイト3冠(SAA-C03・SOA-C02・DVA-C02)を2025年2月に同日受験で全合格した。スコアはSAAが743点、SOAが740点、DVAが779点だった。
この記事では「3冠を取りたい人が最短で合格するための戦略とロードマップ」を書いていく。「どの順番で受けるのが正解か」「各試験でどの教材を使えばいいか」「3冠取得後にフリーランス単価は上がるのか」という疑問に、実体験ベースで答える。
同日受験の当日のリアルな体験談は別記事(AWS三冠を同日受験して全合格した勉強法と当日の話)に詳しく書いたので、そちらも合わせて読んでほしい。
AWSアソシエイト3冠(SAA・SOA・DVA)とは何か
まず前提を整理しておく。AWS認定資格はレベル別に分かれていて、アソシエイトレベルには3種類ある。
| 資格名 | 略称 | 対象者 | 受験料(税込) |
|---|---|---|---|
| AWS Certified Solutions Architect – Associate | SAA | AWSでシステムを設計する人 | 22,000円 |
| AWS Certified SysOps Administrator – Associate | SOA | AWSを運用・監視する人 | 22,000円 |
| AWS Certified Developer – Associate | DVA | AWSを使って開発する人 | 22,000円 |
この3つをすべて取得した状態が「アソシエイト3冠」だ。
3冠にこだわる理由は、アソシエイトレベルの試験範囲が大きく重なっているため、1つ取得した後の次が取りやすいからだ。SAAを起点に3冠を目指す戦略は、勉強効率の観点で非常に理にかなっている。
3冠を取る順番はSAA→DVA→SOAが基本
結論から言う。3冠を目指すならSAA → DVA → SOAの順番が最も効率がいい。
よく「SAAの次はSOAかDVAか」という議論になるが、僕の経験では以下の理由でDVAを先に取ることをおすすめする。
DVAをSOAより先に取るべき理由
1. DVAの試験範囲はSAAと重複が多い
DVA(開発者)はLambda・API Gateway・DynamoDB・SQS・SNSといったサーバーレス系サービスが中心だが、IAM・EC2・S3・VPCなどのSAAで出題されるコアサービスも当然使う。SAAを取り立てのタイミングが最もシナジーを活かせる。
2. SOAは3つの中で最難関
SOA(システム運用管理者)はCloudWatch・CloudTrail・Systems Manager・AWS Configなど「監視・運用・自動化」領域が中心で、日常的に使わないサービスが多く出題される。知識の網羅性という点でSOAが一番きつい。最後の仕上げに持ってくる方が、SAAとDVAの知識をフル活用できる。
3. DVAは開発者として日常業務との親和性が高い
バックエンドエンジニアであれば、Lambdaを触ったことがある、DynamoDBを使ったことがある、という人は多い。DVAは「知っているサービスが試験に出てくる」という体感を持ちやすく、モチベーションが維持しやすい。
一方、SOAを先にやると「CloudWatchのメトリクスフィルターって何だっけ」「Systems Managerのパラメータストアとシークレットマネージャーの違い」といった、日常業務では触れにくいサービスの暗記量に苦しめられる。
順番まとめ:SAA(土台)→ DVA(SAAの知識を活かす)→ SOA(仕上げ・最難関)
各試験の難易度・勉強時間の比較(実体験ベース)
3試験を1日で受けた立場から正直に書く。
| 試験 | 難易度 | 目安勉強時間(SAAあり) | 受験スコア |
|---|---|---|---|
| SAA-C03 | ★★★☆☆ | 60〜100時間(初学者) | 743点 |
| DVA-C02 | ★★★☆☆ | 30〜50時間(SAAあり) | 779点 |
| SOA-C02 | ★★★★☆ | 40〜70時間(SAAあり) | 740点 |
僕の場合はSAAを先に取り、そのままSOA・DVAの勉強を並行してから同日受験という流れだった。SAAの勉強期間も含めると総勉強時間は150〜200時間程度になる。
SAA-C03(743点)
アソシエイト3冠の起点になる資格で、AWSのほぼ全サービスを「どう組み合わせてシステムを設計するか」という観点で問われる。出題範囲が広い分、勉強初期は何から手をつければいいか迷いやすい。
テキストはAWS認定ソリューションアーキテクト(テキスト)を一読した後、CloudTechの問題集で反復演習した。テキストは各サービスの仕組みと役割を把握するのに役立った。問題集を回すうちに「このシナリオではこのサービス」という判断が自然とできるようになる。
DVA-C02(779点)
3試験の中でスコアが最も高かった。DVAはLambdaやAPI Gateway、DynamoDB、SAM(Serverless Application Model)、CodeシリーズのCI/CDパイプラインといった開発者向けサービスが中心だ。
僕はDVAについては参考書を使わず、CloudTechの問題集のみで対策した。SAAで基礎が固まっていれば、CloudTechの問題を繰り返すだけで合格ラインには十分届く。
DVAで特に押さえておきたい領域:
- Lambda(ハンドラー・環境変数・レイヤー・エラーハンドリング)
- DynamoDB(パーティションキー・GSI・LSI・トランザクション)
- API Gateway(ステージ・デプロイ・キャッシュ・スロットリング)
- CodeCommit・CodeBuild・CodeDeploy・CodePipeline
- SQS・SNS・Kinesis(メッセージングの違い)
- X-Ray(分散トレーシング)
SOA-C02(740点)
3試験で最も手こずった。テキストはAWS SysOpsテキスト(NRIネットコム著)を使ったが、CloudWatch・Systems Manager・AWS Configなどの運用系サービスは実際に触ったことがないと試験問題のシナリオが掴みにくい。
SOAで特に押さえておきたい領域:
- CloudWatch(メトリクス・アラーム・ログ・ダッシュボード)
- CloudTrail(証跡・イベント記録・整合性検証)
- AWS Config(コンプライアンスルール・設定変更の追跡)
- Systems Manager(パラメータストア・Session Manager・Patch Manager)
- Auto Scaling(ポリシー・スケールイン/アウトの制御)
- ELB(ヘルスチェック・接続ドレイニング)
SOAだけ他の2試験と毛色が違う。「AWSを運用する人が知っておくべき知識」という試験設計で、SAAやDVAで培った「設計・開発」の知識とは異なる角度から問われる。
3冠を目指すときのおすすめ学習教材
CloudTech(問題集サービス)
CloudTechはAWS資格対策に特化した問題集サービスで、SAA・SOA・DVAすべての問題集が揃っている。本番試験と同じ形式の問題を大量に解けるため、試験慣れという意味でも効果が高い。
僕がCloudTechを使ってよかった点:
- 解説が丁寧で「なぜその選択肢が正解か」が分かる
- 正解・不正解の記録が残るため、苦手分野を特定しやすい
- DVAはCloudTechだけで合格できた(参考書なし)
SAA・SOAは参考書との併用を推奨
DVAはCloudTechのみで問題なかったが、SAAとSOAは一度テキストで体系的に学んでから問題集に入る方が効率がよかった。
SAAテキスト: AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト テキスト(楽天で探す)
SOAテキスト: AWS SysOpsアドミニストレーター アソシエイト テキスト(楽天で探す)
Udemyのハンズオンコース(実機操作で定着させたい人向け)
テキスト+問題集だけだと、AWSのコンソール操作に不安が残る場合はUdemyのハンズオンコースも有効だ。「SAA 完全合格」「AWS ハンズオン」などのコースが多数あり、セール時(頻繁にある)は1,500円前後で買える。
ただし、時間効率を最大化するなら「テキストで概念理解 → CloudTechで問題演習」の2ステップで十分合格できる。Udemyは「試験対策以上に実業務で使えるスキルを身につけたい」という場合に追加で活用するのがいい。
3冠取得後のフリーランス単価・案件への影響
正直に言う。AWS三冠を取ったからといって、翌月から単価が急上昇した——ということはなかった。
フリーランスエンジニアの単価は「何ができるか(実務経験)」が主要因で、「何を持っているか(資格)」はあくまで補完要素だ。
ただし、資格取得の効果として実感しているのは以下の点だ:
- 案件エージェントとの交渉材料になる: 「AWS三冠保有」はスキルシートに書けるキーワードで、エージェントが案件を引っ張ってくる際の判断基準になる
- AWS案件の選択肢が増える: 資格がないと「AWSの実務経験ありますか」という問いに資格面での答えができない。資格があることで案件応募のハードルが下がる
- 自分自身の知識に対する自信が上がる: これは意外と馬鹿にできない。「自分はAWSをきちんと理解している」という自信が、実務での判断スピードを上げる
フリーランス転向直後に取得したこともあり、「独立したエンジニアとして能力証明の土台を作る」という意味では非常に有効だったと思っている。単価への直接的な影響は6ヶ月〜1年単位で見るものだと考えている。
まとめ:AWS三冠ロードマップ
AWSアソシエイト3冠の攻略ロードマップをまとめる。
- SAA-C03から始める(AWSの土台づくり)。テキスト一読 → CloudTech問題集で演習
- SAAに合格したらDVA-C02へ。CloudTechのみで対応可能
- 最後にSOA-C02。最難関なので時間を多めに確保。テキスト+CloudTechで対策
教材の優先順位:
- 問題集: CloudTech(3試験すべてに対応)
- SAAテキスト: AWS認定ソリューションアーキテクト テキスト(楽天)
- SOAテキスト: AWS SysOps テキスト(楽天)
- ハンズオン補完: Udemy(任意・セール時に購入推奨)
同日受験が現実的かどうか、1日で3試験を乗り切るためのタイムスケジュール・心構えはAWS三冠同日受験の体験記に書いた。「3冠を一気に終わらせたい」という人はぜひ読んでみてほしい。


