PHPエンジニアが失敗しないSES案件の選び方【実際に選んでいる基準を公開】

案件・働き方

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PHPエンジニアのSES案件の選び方【失敗しない3つの基準】

フリーランスのPHPエンジニアとして活動していると、エージェントから複数の案件を同時に提示されることがある。

月単価60万、月単価55万、月単価70万。数字を並べられても「どれを選べばいいか」が分からないまま、なんとなく高い方を選んでいた——そんな時期が私にもあった。

この記事では、SES案件を実際に複数こなしてきた現役フリーランスPHPエンジニアとして、「どんな軸で案件を選ぶか」「実際に断った案件の理由」「後悔した選び方」を当事者目線でまとめる。

単価だけで決めると後悔する。その理由も含めて説明していく。

SES案件選びで失敗するパターン

まず「どんな選び方が失敗につながるか」を整理しておく。実際に見聞きしたパターンと、私自身が経験したケースを合わせると、大きく3つに分類できる。

失敗パターン1:技術スタックを確認せず参画する

「PHPの案件」とだけ聞いて参画したら、PHP 5.6のプロジェクトだった——というのはフリーランスのSES界隈ではよく聞く話だ。

PHPのバージョンが古いということは、フレームワークも古い(あるいは独自FW)、テストコードがない、デプロイは手動FTPという可能性が高い。参画してから「想定と違う」と感じても、契約期間中は抜け出しにくい。

また、Laravelが書けるエンジニアとして登録しているのに、参画してみるとSymfonyやCakePHPだった、というケースもある。PHPというくくりで同じように見られがちだが、FWが違えば書き方の流儀はかなり変わる。

失敗パターン2:商流の深さを確認しない

SES案件には「エンド直(発注元が直接クライアント)」「1次請け」「2次請け以下」の階層がある。

商流が深いほど、マージンが多く抜かれた状態で自分に単価が届く。同じ市場相場の案件でも、エンド直なら70万のところが、2次・3次経由では55万になっているということが起きる。

商流の深さは直接聞きにくい雰囲気があるが、確認しないまま参画すると「なんか割に合わない」という感覚が続く。エージェント経由で確認するか、面談時に「発注元はどちらの企業になりますか」と聞くだけで分かることが多い。

失敗パターン3:支払いサイクルを見落とす

月単価は高いのに、支払いサイクルが60日・90日という案件がある。フリーランスの場合、3月稼働分の報酬が5月末・6月末にしか入金されないという状況になる。

個人事業主として毎月のキャッシュフローを回す必要がある場合、入金タイミングのズレは資金繰りに直結する。特に独立初期や、複数の出費が重なる時期は注意が必要だ。

PHP案件の技術スタック確認ポイント

PHPエンジニアとして「この案件に参画する価値があるか」を判断するには、技術スタックの確認が欠かせない。エージェントの求人票だけでは分からない部分もあるため、面談前に質問リストを用意しておくといい。

確認すべき4点

  • PHPのバージョン(8.x系か、7.x系か、それ以前か)
  • フレームワーク(Laravel / Symfony / CakePHP / 独自FW)
  • テストコードの有無(PHPUnit等が使われているか)
  • デプロイ環境(CI/CD有無、クラウドか、オンプレか)

特にPHPバージョンは重要だ。PHP 8.0以降で書かれたコードはファイバー、名前付き引数、マッチ式など現代的な記法が使える。一方でPHP 7.4以前の案件は、型ヒントの制限やnullable対応の違いなど、書き方の制約が多い。

テストコードの有無は「技術的な健全性」のバロメーターでもある。テストがない案件は、リファクタリングも本番反映も「えいやっ」でやっている可能性が高い。そこに飛び込むリスクを自分がどれだけ許容できるかは、事前に考えておくべきだ。

独自FWについては「単価が見合うならOK」というのが私の判断基準だ。独自FWの案件はそのFW経験がつくだけで、市場価値の向上につながりにくい。それでも月単価が相場より明らかに高ければ割り切って参画する価値はある。

商流と単価の相関【エンド直・1次請け・2次請け以下の違い】

SES案件の単価は、商流(発注元との距離)によって大きく変わる。同じ業務内容でも、商流が1段深くなるごとに10〜15万円程度のマージンが抜かれるケースもある。

商流の目安

商流単価イメージ(PHP/Laravel経験3〜5年)特徴
エンド直(1次契約)65〜80万円マージンが少なく単価が出やすい。面談が複数回のことも
1次請け55〜70万円バランスが取れている。エージェント経由ではここが多い
2次請け以下45〜60万円単価が低くなりやすい。フリーランス新法の観点でも注意

※上記はあくまで目安。案件の難易度・技術スタック・常駐/リモートの条件によっても変動する。

エージェントに「この案件はエンド直ですか」と事前に確認するのが一番早い。答えを濁すようなエージェントは、それ自体が情報開示姿勢のシグナルになる。

また、商流が深い案件ほど、現場での指示系統が複雑になりやすい。「誰からの指示を優先するか」が曖昧なまま参画するのはトラブルのもとだ。

支払いサイクル・契約形態の確認チェックリスト

案件参画前に確認しておくべき契約・支払い関連の項目を整理する。

確認チェックリスト

  • 支払いサイクルは何日か(月末締め翌月末払い・翌々月払い等)
  • 契約形態は「準委任」か「請負」か
  • 最低稼働保証時間・超過単価の設定はあるか
  • 契約解除の予告期間は何日か(フリーランス側・発注側それぞれ)
  • 副業・他案件掛け持ちの制限はあるか

準委任か請負かの違いは大きい。準委任は「作業した時間に対して報酬が発生する」ため、成果物が完成しなかった場合でもある程度の報酬が守られる。一方で請負は「完成物の納品に対して報酬が発生する」ため、想定外の工数が発生しても追加請求がしにくい。フリーランスSESでは準委任が主流だが、念のため確認しておくべきだ。

フリーランス新法との関連

2024年11月1日に「フリーランス・事業者間取引適正化等法(通称:フリーランス新法)」が施行された。 この法律により、発注事業者には以下の義務が課される。

  • 書面による取引条件の明示:報酬額・支払期日・業務内容等を書面または電磁的方法で明示
  • 報酬の支払期日:納品後60日以内のできる限り短い期間で設定
  • 中途解除の予告:6ヶ月以上の委託の場合、30日前までに解除予告が必要

フリーランスとして案件参画する際、「契約書に支払期日が明示されているか」「中途解除の規定がどうなっているか」は法律上も確認すべき項目になった。これが守られていない発注元は、それ自体がリスクのシグナルになる。

フリーランス新法の詳細については、別記事でより詳しく解説している。

エージェント選びと複数エージェント並行活用の実務

SES案件を探す際、1社のエージェントだけに依存するのはリスクが高い。理由は単純で、エージェントによって保有する案件の傾向が違うからだ。

あるエージェントはスタートアップ・モダン技術スタックに強く、別のエージェントは金融・官公庁系の大手案件を多く持っている。どちらが「自分に合っているか」は、実際に面談・提案を受けてみないと分からない部分が多い。

複数エージェントに登録する3つのメリット

断った案件のパターン

パターンA:PHP 7.2・独自FW・テストなし・支払いサイト90日

月単価は提示が高めだったが、断った。理由は「入金まで90日待ちながら、技術的に成長が見込めない環境で3〜6ヶ月を過ごすコスト」が見合わないと判断したからだ。単価だけで比べると魅力的に見えた案件だったが、技術スタック・支払いサイクルの2点で総合評価を下げた。

パターンB:面談で技術的な質問に答えられなかった担当者からの案件

エージェントの担当者が「LaravelとCakePHPの違い」を説明できなかったケースがあった。それ自体は担当者の専門外という話だが、「技術的な適切なマッチングができるか」への不安につながった。実際にその担当者経由では良い案件に当たったことがなかったため、担当者を変えてもらうか別のエージェントに切り替えるという判断をした。

選んだ案件の判断基準

私が最終的に「参画する」と決める案件には、大体次の共通点がある。

  • PHP 8.x + Laravel(またはLumen)が使われている
  • テストコードがある(カバレッジが低くてもゼロでなければOK)
  • 商流がエンド直または1次請けまで
  • 支払いサイクルが翌月末払い(60日以内)
  • 面談時に技術的な話が「ちゃんと」できた

「面談時に技術的な話がちゃんとできた」というのは、主観的に見えるかもしれないが実は大事な指標だ。面談担当者が技術を理解している現場は、エンジニアを適切に評価できる環境がある可能性が高い。技術的な話を全くしない面談は、現場の技術的成熟度に不安を感じる。

PHP×AWSのスキルが単価にどう影響するかについては、別記事で詳しくまとめている。

PHPエンジニアがAWSも取ったらフリーランス単価はどう変わるか【実体験】

また、SES案件と直案件の違いそのものについては以下の記事が参考になる。

フリーランスエンジニアのSESと直案件の違い【実際にやってみた話】

まとめ:PHP×SESで月単価60〜70万円台を維持するための選択基準

PHP×LaravelのフリーランスSESエンジニアとして月単価60〜70万円台を維持するには、「単価の高さだけ」で案件を選ばないことが重要だ。

最後に、私が実際に使っている判断基準を3点にまとめる。

失敗しない3つの選択基準

  1. 技術スタックがキャリアに貢献するか:PHP 8.x/Laravel/テストあり の現場は、スキルの維持・向上ができる。PHPバージョンが古く独自FWの案件は、単価が高くても成長コストとして評価を下げる
  2. 商流が適切か(単価の実態):エンド直〜1次請けが基本ライン。2次請け以下は単価の絶対値だけで判断せず、市場相場との差分を確認する
  3. 契約条件に隠れたリスクがないか:支払いサイクル・中途解除条件・副業制限を必ず確認する。フリーランス新法施行後は、書面明示されていない案件は法令違反のリスクがある

案件選びに迷ったときは「この案件で3ヶ月後の自分のスキルと財布はどうなっているか」を基準に判断している。短期的な単価だけでなく、技術成長と収益の両方が維持できる案件を選ぶのが、フリーランスSESエンジニアとして長く続ける秘訣だと思っている。

案件探しにはエージェント複数登録が前提

最後に、エージェントについて改めて触れておく。上記の「3つの基準」を満たす案件に出会うためには、そもそも選択肢の数が必要だ。1社のエージェントだけでは、選べる案件の幅が狭くなる。

PHP/Laravelのフリーランスエンジニアが複数登録しておきたいエージェントとして、フリーランスキャリア・ITプロパートナーズ・TechClipsエージェントの3社をおすすめする。それぞれ案件の傾向や強みが異なるため、組み合わせて使うのが最も効果的だ。

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