フリーランスエンジニアになると、自分でブログやポートフォリオサイトを持つ機会が増える。会社員時代は「サーバーの調達・管理は会社がやること」だったのが、すべて自分の仕事になる。
ぼく(スケッチ)は現在、エンジニアログをXserverで運用している。サーバー選びを何度か検討した経験もあるので、この記事ではエンジニア視点でXserverの正直な評価とConoHa WINGとの比較をまとめる。
「どのサーバーを選べばいいかわからない」「Xserverって実際どうなの?」という人に参考になれば嬉しい。
フリーランスエンジニアにレンタルサーバーが必要な3つのケース
まず「そもそもレンタルサーバーが必要か」という話から整理しておく。フリーランスエンジニア全員が必要なわけではないが、次の3つのケースに当てはまるなら契約を検討すべきだ。
1. ブログ・情報発信サイトを運営したい
Qiita・Zennといった無料プラットフォームは手軽だが、サイトのデザイン・広告・アフィリエイト設置に制約がある。収益化を視野に入れるなら、最初から独自ドメイン+自前サーバーで始めるほうが将来の選択肢が広い。
2. ポートフォリオサイトを持ちたい
フリーランスとして営業するとき、ポートフォリオサイトがあると信頼性が上がる。GitHubだけで十分というケースもあるが、「自分で運用しているWordPressサイトがある」という事実自体がスキルの証明になることもある。
3. 副業・スモールビジネスのWebサイトが必要
マイクロ法人や副業で何かサービスを提供するとき、コーポレートサイト・ランディングページが必要になる。VercelやNetlifyで静的サイトを公開する手もあるが、WordPressのほうが非エンジニアとの共同作業や更新が楽なケースも多い。
使っているツール・サービスの全体像は以下の記事でまとめているので、合わせて参考にしてほしい。
→ フリーランスエンジニアが実際に使っているツール・サービス全一覧
Xserverを実際に運用してみた正直な評価
WordPressサイトをXserverで運用して感じていること、正直にまとめる。
よかったこと
複数ドメイン・サイトを1アカウントで管理できるのが一番助かっている。Xserverのスタンダードプランは追加ドメイン無制限で、複数のサイトを同じコントロールパネルから操作できる。サーバー費用が1アカウント分で済むのはコスパ的にも大きい。
表示速度は安定している。WordPressのテーマやプラグインによって速度は変わるが、Xserver側の応答速度で詰まると感じたことはない。国内サーバーなので日本向けのサイトには十分だ。
WordPressの自動インストールが楽。コントロールパネルからドメインを追加してWordPressを選ぶだけで、5分もかからずサイトが立ち上がる。自前でApache・MySQL・PHPを設定していたエンジニアには物足りないかもしれないが、スピード感を優先するなら正解だ。
自動バックアップが14日分保存される。WordPressを更新してサイトが崩れたときに、コントロールパネルからファイル・DBを1クリックで復元できる。これが地味に重宝している。
気になったこと・デメリット
コントロールパネルのUIがやや古い。操作自体は問題ないが、モダンなダッシュボードを期待すると少し違和感がある。ConoHa WINGのUIと比べるとデザインの古さを感じる場面はある。
月額費用はConoHa WINGより若干高め。詳しくは後述する比較表で触れる。
SSH接続は可能だが、rootは使えない。一般ユーザー権限でのSSH接続はできるので、Git操作やWP-CLIは使える。本格的なサーバー管理がしたい場合はVPSのほうが向いているが、WordPressサイト運用ならXserverで十分だ。
ConoHa WINGとの比較(速度・コスト・使い勝手)
Xserverを選ぶ前に、ConoHa WINGも比較検討した。主要な違いを表にまとめる。
| 項目 | Xserver(スタンダード) | ConoHa WING(ベーシック) |
|---|---|---|
| 月額費用(通常) | 1,100円〜 | 941円〜 |
| 初期費用 | なし | なし |
| 無料ドメイン | 2個(.com/.net等) | 2個(.com/.net等) |
| 追加ドメイン | 無制限 | 無制限 |
| 自動バックアップ | 14日分 | 14日分 |
| WordPress自動インストール | あり | あり |
| SSH接続 | あり(一般ユーザー) | あり(一般ユーザー) |
| コントロールパネル | 独自(やや古め) | 独自(モダン) |
| 表示速度 | 高速(LiteSpeed) | 高速(LiteSpeed) |
| サポート | 24時間チャット・メール | 24時間チャット・電話 |
スペック面での大きな差はほとんどない。どちらもLiteSpeedを採用しており、表示速度の実測値に大きな差はないと言われている。
Xserverを選んだ理由は「実績と安定感」だ。国内シェア1位のサービスというだけあって、トラブル時の情報がネット上に豊富にある。何か困ったときに「Xserver ◯◯ エラー」で検索すると解決策が見つかりやすいのは、エンジニア的には地味に重要なポイントだ。ConoHa WINGはUIがきれいで価格もやや安いが、運用の安心感でXserverを選んだ。
「エンジニアらしい」サーバー選びの視点(SSH・Git連携・バックアップ)
一般的なブロガーには関係ない話も、エンジニアが選ぶときには気になるポイントだ。
SSH接続・WP-CLI
Xserverはスタンダードプラン以上でSSH接続が利用できる。WP-CLIもインストール済みで、コマンドラインからWordPressのプラグイン更新や記事操作ができる。ぼく自身もWordPress REST APIで記事を自動投稿するスクリプトを書いて動かしているが、SSH経由のWP-CLIと組み合わせると運用の幅がさらに広がる。
Git連携
SSH接続ができるので、Gitも普通に使える。テーマのカスタマイズをGitで管理している人はデプロイフローをシェルスクリプトで自動化することも可能だ。ただしXserverはGit自体のインストールはされているが、GitHub Actionsとの連携は自前で構築する必要がある。
バックアップ・リストア
Xserverの自動バックアップはファイルとデータベースを別々に14日分保持している。コントロールパネルから日付を指定してリストアできるので、WordPressのアップデート失敗やプラグイン競合でサイトが壊れたときも怖くない。
有料プラン(月額220円〜)を追加すれば最大28日分まで延長できる。本番サイトを複数運用するなら加入を検討してもよいが、14日でも通常の運用には十分だ。
PHP・MySQLのバージョン管理
コントロールパネルからドメインごとにPHPバージョンを切り替えられる。PHPエンジニアにとってはこれが意外と便利で、古いWordPressプラグインの動作確認で旧バージョンに一時的に戻すといった用途にも使える。
レンタルサーバー代の経費計上について
フリーランスエンジニア・マイクロ法人を運営している立場で言うと、レンタルサーバー代は事業用途であれば経費に計上できる。
個人事業の確定申告では「通信費」または「消耗品費」として計上するのが一般的だ。法人の場合も同様に通信費・地代家賃(ホスティング費用)として扱える。
注意点は「プライベート利用と事業利用が混在している場合は按分が必要」という点だ。ぼくの場合は事業用のWordPressサイトのみを運用しているので、Xserver費用は全額を事業費として計上している。
請求書・領収書はXserverのコントロールパネルからPDFでダウンロードできるので、会計ソフトへの入力も簡単だ。
まず10日間だけ試してみる、という選択肢
Xserverには10日間の無料お試し期間がある。お試し期間中でもWordPressのインストール・データベース操作・SSH接続など、本番契約と同等の機能がフルで使える。実際に自分の手を動かしてコントロールパネルの操作感を確かめられるのは、スペック比較表だけではわからない部分を補ってくれる。
注意点として、お試し期間が終了しても自動課金はされない。自分で支払い手続きをしない限り本契約には移行しないので、「試しだけのつもりが課金されていた」というリスクはない。「Xserverが自分の使い方に合うかどうか迷っている」なら、まず10日間だけ使ってみるのが一番早い判断材料になると思う。
まとめ:2026年に新しくサーバーを選ぶなら(状況別の結論)
最後に状況別で結論をまとめる。
| こんな人に | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| ブログ・情報発信サイトを複数運用したい | Xserver | 複数サイトを1アカウントで管理。情報量が豊富でトラブル時も安心 |
| コストを最小化したい・最初の1サイトだけ | ConoHa WING | 月額が若干安い。WINGパックの長期割引が魅力 |
| UIがシンプルなほうがいい・初心者 | ConoHa WING | コントロールパネルがモダンで直感的 |
| SSH・WP-CLI・Git運用をしたい | どちらでも可 | どちらもSSH接続対応。差はほぼない |
| 安定したサービスを使いたい(国内最大手) | Xserver | 国内シェア1位。長年の実績あり |
ぼく個人の結論としては、複数サイトを運用するフリーランスエンジニアにはXserverが向いていると思う。情報が豊富で安心感があり、エンジニア的な機能(SSH・WP-CLI・PHPバージョン管理)もひと通り揃っている。
どちらを選ぶにせよ、まずは1ヶ月試してみることをおすすめする。両サービスとも初期費用なし・月途中解約も可能なので、乗り換えのハードルも低い。

