フリーランスエンジニアの確定申告:1年目にやったこと全部まとめ

お金・税金

フリーランスエンジニアになって最初の確定申告シーズンを迎えたとき、正直かなり焦った。「確定申告って何をするの?」という状態から始まって、開業届・青色申告・会計ソフト・e-Taxと、次々と知らない単語が出てきた。

この記事では、フリーランス1年目の自分が確定申告で実際にやったこと・調べたことを時系列でまとめていく。税務アドバイスではなく「私はこうした」という体験談として読んでほしい。具体的な税務判断は税理士や国税庁のサイトで確認することをすすめる。

フリーランス1年目の確定申告、何から始めた?

フリーランスになったのは3月。独立前から「開業届と青色申告承認申請書は早めに出す」という情報は調べていたので、開業と同時に提出した。このとき使ったのがマネーフォワード クラウド開業届だ。質問に答えていくだけで書類が自動生成されて、そのままe-Taxで提出できたので、税務署に行く手間もなく拍子抜けするほど簡単だった。

結果的に「まず何をするべきか」の優先順位を整理したら、やることはシンプルに3つだった。

  1. 開業届と青色申告承認申請書を提出する
  2. 会計ソフトを決めて、日々の記帳を始める
  3. 翌年2〜3月に確定申告書を作成してe-Taxで提出する

「確定申告」というと2〜3月の申告作業だけを想像しがちだが、実際には年間を通じた準備があってはじめて申告が成立する。これを最初に理解しておくと、後々の手間がかなり減る。

青色申告と白色申告、どっちを選んだか

結論から言うと、青色申告を選んだ。理由はひとつで、青色申告特別控除(最大65万円)の節税メリットが大きすぎるからだ。

フリーランスエンジニアの所得税・住民税の合算税率はそれなりに高い。65万円の控除が受けられると、所得の水準によっては年間で数万〜十数万円の差が出る計算になる。会計ソフトの年間費用(1〜2万円程度)を差し引いても、十分すぎるメリットがある。

白色申告を選ぶ理由としてよく挙げられるのが「帳簿が簡単」という点だが、今は会計ソフトが複式簿記を自動でやってくれるので、手間の差はほとんどない。青色申告を選ばない積極的な理由が見当たらなかったので、迷わず青色申告に決めた。

項目青色申告白色申告
特別控除最大65万円(e-Tax+複式簿記)なし
帳簿の種類複式簿記(会計ソフトで自動化可)単式簿記でOK
赤字の繰越3年間繰り越せる繰り越せない
事前申請必要(開業から2ヶ月以内)不要

※ 上記は2025年時点の制度内容をもとにした整理。制度変更の可能性があるため、申告前に国税庁のサイトで最新情報を確認してほしい。

開業届と青色申告承認申請書の提出

開業届は「個人事業の開業・廃業等届出書」という正式名称の書類だ。フリーランスとして事業を始めた日から1ヶ月以内に提出するのが原則とされているが、遅れても罰則はない(ただし青色申告の申請期限には注意が必要)。

前述の通り、マネーフォワード クラウド開業届を使ってオンラインで提出した。質問に沿って入力するだけで開業届と青色申告承認申請書の両方が作成でき、e-Tax経由でそのまま提出できる。無料で使えるので、これからフリーランスになる人にはおすすめしたい。

青色申告承認申請書も同時に提出した。この2つはセットで提出するのが効率的だ。提出期限の目安は以下の通り。

  • 開業届: 開業日から1ヶ月以内(遅れても罰則なし)
  • 青色申告承認申請書: 開業日から2ヶ月以内(この期限は守る必要がある)

青色申告承認申請書の提出が期限を過ぎると、その年は青色申告ができなくなる。開業の翌年から適用になるパターンもあるが、1年分の節税機会を逃すことになる。フリーランス開始と同時に提出するのが一番損がない。

自分はe-Taxでオンライン提出した。マイナポータルアプリとマイナンバーカードがあれば税務署に行かずに完結するので、手続き自体はそれほど難しくなかった。開業届と青色申告承認申請書をセットで出せる点が特に便利だった。

会計ソフトの導入と日々の記帳

開業届を出した直後に会計ソフトを選んで導入した。フリーランスエンジニアが使う会計ソフトの選択肢は主に3つ:freee、マネーフォワード クラウド確定申告、やよいの青色申告 オンライン。

私が最終的に選んだのはマネーフォワード クラウド確定申告だ。選んだ理由や各ソフトの比較は別の記事で詳しく書いているので、そちらも参考にしてほしい。

フリーランスエンジニアにおすすめの会計ソフト比較【実際に使った3選】

会計ソフトを導入してまず設定したのは、銀行口座とクレジットカードの自動連携だ。これを設定しておくと、入出金の明細が自動で取り込まれる。あとは「この取引は何の経費か」を選択するだけで帳簿が作られていく。

日々の記帳で意識したこと:

  • 月1回は必ず帳簿を確認・整理する日を設ける
  • 現金払いした経費はその日のうちに手入力する(後回しにすると忘れる)
  • 領収書・レシートは写真に撮ってクラウドに保存(紙のまま保管しない)

「月末にまとめてやればいい」と思っていたが、1ヶ月分をまとめてやるのは思ったより大変だった。週1回30分でもいいので、細かく処理する習慣をつけるほうがずっと楽だと1年目で学んだ。

経費として計上したもの一覧

フリーランスエンジニアとして1年間で経費計上したものをカテゴリ別にまとめる。あくまで「私が計上したもの」であり、税務的な正確性を保証するものではない。経費の判断に迷う場合は税理士への相談をおすすめする。

通信費・SaaSサブスク

  • インターネット回線(自宅兼事務所として按分)
  • スマートフォン通信費(業務利用分を按分)
  • PhpStorm(IDE・JetBrainsライセンス)
  • VPN(リモートワークのセキュリティ対策)
  • AWS(学習・検証用アカウント)
  • Claude(AI利用料)
  • Notion(ドキュメント・タスク管理 ※無料プランでも十分使える)
  • CloudTech(AWS資格対策の問題集サービス)
  • Udemy(技術学習用の動画講座)
  • 技術書・参考書

書籍・学習費

  • 技術書(Kindle含む)
  • Udemy講座(セール時にまとめ購入)
  • AWS認定試験の受験料
  • CloudTech(AWS学習)

機器・備品

  • モニター(在宅勤務用)
  • キーボード・マウス
  • PCスタンド・デスク周辺品
  • I-O DATA 外付けモニター
  • Keychron K1 SE(キーボード)
  • InnoView モバイルモニター

その他

  • 会計ソフト(マネーフォワード クラウド)年間費用
  • 名刺作成費用
  • 勉強会・カンファレンスの参加費
  • 家賃(家事按分)
  • 電気代(家事按分)

按分(あんぶん)について:自宅兼事務所の場合、家賃・光熱費・通信費は業務利用割合に応じて一部を経費にできる。私は「仕事で使う時間・スペースの割合」を根拠にして按分率を決めた。按分の考え方や計算方法は、国税庁のサイトや会計ソフトのヘルプページに詳しく載っている。

確定申告の実際の手順(e-Tax)

2月に入ったタイミングで申告書の作成に取りかかった。使ったのはマネーフォワード クラウド確定申告の「申告書作成」機能で、1年分の帳簿データをもとに申告書が自動生成される。

大まかな手順はこうだった。

  1. 1年分の帳簿を最終確認・修正する
  2. 会計ソフトで決算書(損益計算書・貸借対照表)を作成する
  3. 会計ソフトの申告書作成機能で確定申告書を自動生成する
  4. 医療費控除・ふるさと納税・生命保険料控除など、追加の控除情報を入力する
  5. マイナンバーカードを使ってe-Taxで電子送信する

e-Taxの送信には、マイナンバーカード対応のスマートフォンかICカードリーダーが必要だ。私はスマートフォン(マイナポータルアプリ)で対応した。

申告後は「申告済み」のステータスと受付番号が発行される。これをスクリーンショットで保存しておくと、後で確認が必要になったときに役立つ。

申告書の作成自体は、1年間きちんと帳簿をつけていたおかげでスムーズに終わった。マネーフォワードで自動生成された申告書を確認して、控除情報を追加して提出するだけだったので、実質の作業時間はそれほどかからなかった。マイナポータルアプリを使ったe-Tax送信も、手順に沿えば詰まることはなかった。

1年目が意外とスムーズだった理由

フリーランス1年目の確定申告は、思っていたよりも大変ではなかった。振り返ると、いくつかの習慣が効いていた。

週1回の帳簿チェックを習慣にしていた

月末にまとめてやるのではなく、週に1回ざっと帳簿を確認する習慣をつけていた。1ヶ月分が溜まると整理するのが面倒になるが、週1回であれば1週間分を処理するだけなので気持ち的に楽だった。年明けに「1年分溜まっている」という状態にならなかったのは、この習慣のおかげだと思っている。

仕事用とプライベート用で口座・カードを分けていた

フリーランスになった当初から、仕事用のクレジットカードと口座をプライベート用と完全に分けていた。基本的にカード決済で管理していたので、仕事の支出がカード明細に自動で溜まっていく仕組みができていた。口座連携でマネーフォワードに自動取込されるため、「これは経費か?」という判断をする件数が少なく済んだ。

口座連携のおかげで手入力がほとんどなかった

楽天銀行と仕事用クレカをマネーフォワードに連携したことで、経費の大部分が自動で取り込まれた。あとは「この取引は何の費目か」を確認・修正するだけなので、入力の手間がほぼなかった。現金払いを極力カード払いに統一していたことも、記帳漏れを減らす上で効果的だったと思う。

まとめ:来年の自分へのアドバイス

フリーランス1年目の確定申告を終えて、「これから独立する人に伝えたいこと」をまとめておく。

  • 開業したらすぐに開業届+青色申告承認申請書を提出する(期限は厳守)
  • 会計ソフトは開業と同時に導入して、銀行・カードを連携させる
  • 月1回は帳簿を確認する。年末にまとめてやるのは地獄
  • 領収書は開業初日から保管。現金払いは写真を撮ってその日のうちに記録
  • 按分率の根拠はメモに残す。翌年の自分が困らないように
  • 控除証明書は届いたその日に専用フォルダに保管する

確定申告を「2月になってから考えること」にしてしまうと、1年分の後悔が積み重なった状態で始めることになる。年間を通じた準備の積み重ねが、申告作業を楽にする一番の近道だ。

会計ソフトの選び方については以下の記事で詳しく比較しているので、まだ決めていない人はそちらも読んでほしい。

フリーランスエンジニアにおすすめの会計ソフト比較【実際に使った3選】


会計ソフトをまだ導入していないなら今すぐ始めよう

確定申告の準備は「今日から始める」のが最善だ。記帳が溜まるほど後から取り返しが難しくなる。まずは無料トライアルで試してみるのが一番手っ取り早い。

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