フリーランスエンジニアになるとき、最初に悩むのが「エージェントをどこに登録すればいいか」という問題だ。
レバテック、Findy、テクフリ、ミッドワークス……と選択肢が多すぎて、どれに登録すれば案件が取れるのかわからない。「複数登録したら連絡が大変になるんじゃないか」「1社に絞ったほうが誠実じゃないか」と思っている人もいるかもしれない。
結論から言おう。フリーランスエンジニアはエージェントを複数登録するのが基本だ。1社だけに絞るのは選択肢を自ら狭めているようなもので、むしろ機会損失になる。
この記事では、実際に複数のエージェントを使ってフリーランス案件を取った経験をもとに、何社登録すべきか・どう使い分けるかを解説していく。
フリーランスエージェントは複数登録が基本
フリーランスエージェントは複数登録が基本、というのには明確な理由がある。
エージェントは基本的に案件の取り扱いが重複しない。レバテックが持っている案件とFindyが持っている案件はほとんど別物だ。1社にしか登録していないと、そのエージェントが持っていない案件には物理的にアクセスできない。
また、各エージェントには担当者との相性や得意な業種・スキル領域がある。「このエージェントの担当者はAWS案件に強い」「こっちはフロントエンドの案件が多い」という差がリアルに存在する。自分のスキルと相性のいいエージェントを複数持つことで、案件の選択肢が一気に広がる。
「複数登録すると管理が大変では?」という懸念もよく聞くが、現実にはそこまで手間ではない。応募後の連絡は各エージェントの担当者がまとめて対応してくれるし、同じ案件に複数社から応募しないように気をつける程度で十分だ。
何社くらい登録すべきか(結論:3〜4社)
登録社数の目安は3〜4社が現実的だ。
1〜2社だと案件の選択肢が狭い。稼働中の案件が終わって次を探すとき、候補が少なくて焦ることになる。一方で5社以上になると、担当者との関係維持や進捗管理の手間が増えて逆効果になりやすい。
個人的な感覚では、「メインで使う1〜2社 + サブで保険として登録している1〜2社」という構成がちょうどいい。
| 登録社数 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 1社 | 管理がシンプル | 案件の選択肢が狭い。案件が切れたときのリスクが高い |
| 2〜3社 | バランスが取れる。現実的な管理コスト | 特になし(これが推奨) |
| 4〜5社 | 案件の選択肢が最大化 | 管理コストが増える。担当者との関係が薄くなりやすい |
| 6社以上 | 特になし | 実質的に管理できない。優先度低い社への対応が雑になる |
エージェントの種類と使い分け方
フリーランスエージェントは大きく3種類に分けられる。特徴を理解した上で組み合わせを決めると迷いがなくなる。
総合型:案件数が多く、最初の1社として最適
総合型は扱う案件数が多く、さまざまなスキル・業種に対応している。フリーランス初心者が最初に登録すべきのはここだ。
代表的なのがレバテックフリーランスだ。業界最大手で、案件数・サポート品質ともに高い。担当者がしっかりついてくれるので、フリーランス1年目でも安心して使いやすい。単価交渉も代わりにやってくれるため、直接交渉が苦手な人には特に向いている。
特化型・マッチング型:スキルが合えば単価が上がる
特化型・マッチング型は特定のスキル領域に強みを持つか、エンジニア自身がスキルシートを公開してオファーを受ける形式が多い。
Findy Freelanceは、企業とフリーランスエンジニアを直接つなぐマッチングサービスだ。中間にSES企業が入らない直契約モデルなので、マージンが抜かれず単価がそのまま手取りに反映されるのが最大のメリット。
実際に使っていて、Findyはスカウトの受信数が多く、直契約で中間マージンがないのが最大の魅力だ。ただしPHP案件はかなり少なく、面談時に「PHPは1件くらいしかない」と言われたこともある。Go・TypeScript・Python系の案件が中心なので、技術スタックによって向き不向きがはっきり分かれるエージェントだと感じている。登録後はプロフィールをしっかり埋めておくと、スカウトで案件が来るパターンも増える。
テクフリ(TechFree)はフリーランスエンジニアに特化した案件マッチングサービスで、公開案件数が多く自分で案件を探しやすいのが特徴だ。
直契約型:手数料が低い分、自己管理が必要
エージェントを通さず企業と直接契約する方法もある。クラウドワークスやランサーズがその代表だが、フリーランスエンジニアの稼働案件(SES・業務委託)には向いていないことが多い。
手数料が低い反面、案件の交渉・契約・請求を全部自分でやる必要がある。エージェント経験が十分に積めてから使い分けるものだと思っておけばいい。
複数登録のメリット・デメリット
メリット
- 案件の選択肢が広がる:エージェントごとに保有案件が異なるため、単純に選べる案件数が増える
- 単価の比較ができる:同じようなスキル条件でも、エージェントによって提示される単価が違うことがある。複数社で並行して話を聞くと相場観がつかめる
- 1社が止まっても詰まらない:担当者の質や相性が合わなかったとき、別のエージェントにすぐ切り替えられる
- 次の案件探しが速くなる:稼働中に次の案件を並行して探せるため、案件が切れるブランクを最小化できる
デメリット
- 担当者との連絡が増える:複数の担当者から同時に連絡が来ることがある。ただし、慣れれば大きな問題にはならない
- 同じ案件に重複応募するリスク:同じ案件にA社経由でもB社経由でも応募してしまうと、企業側に迷惑をかけることになる。応募前に「他社で同じ案件に応募していないか」を確認する習慣が必要
- コミットが分散する:1社に絞った方が担当者との信頼関係が築きやすいという考え方もある。メインで使う社は決めておいた方がいい
実際に使っているエージェントの組み合わせ例
参考に、自分が実際に使ったエージェントの組み合わせを紹介しておく。
現在登録しているのはFindy・テクフリ(TechFree)・ITプロパートナーズの3社だ。以前はレバテックフリーランスも使っていたので、通算では4社を経験している。
使い分けのイメージとしては、Findyをメインに据えてスカウト受信を活かしながら、テクフリとITプロパートナーズで公開案件も定期的にチェックするという形だ。レバテックは担当者サポートの手厚さが際立っていたが、今は自分で案件を比較検討する動き方に慣れてきたので、3社体制でちょうどよいバランスになっている。
自分の場合は、最初から複数登録しておいて正解だったと思っている。1社だけで探していたら出会えなかった案件があったし、エージェントによって「この担当者は動いてくれる」「こっちは連絡が遅い」という差も実際に感じた。
フリーランス独立直後はとにかく選択肢が多い状態を作っておくことが大事だ。案件が切れたときの焦りを減らすためにも、稼働中から複数社に登録して次を探せる状態にしておくことをすすめる。
スキル別のおすすめ組み合わせ例
スキルセットによって相性のいいエージェントは変わる。あくまで参考例として。
| スキル領域 | メイン推奨 | サブ推奨 |
|---|---|---|
| バックエンド(PHP/Java/Python) | レバテックフリーランス | Findy Freelance |
| クラウド・インフラ(AWS/GCP) | レバテックフリーランス | ミッドワークス |
| フロントエンド(React/Vue) | Findy Freelance | テクフリ |
| フルスタック・幅広く対応できる | レバテックフリーランス | Findy Freelance |
なお、AWSなどクラウドスキルを持っていると単価の幅が広がる。資格取得の観点では「AWS三冠を同日受験して全合格した勉強法と当日の話」も参考にしてほしい。
エージェント選びで失敗しないコツ
1. 登録は無料・退会も自由なので迷わず登録する
エージェント登録は基本的にすべて無料で、案件が決まったときに企業側からエージェントに紹介手数料が入る仕組みだ。フリーランス側に費用は一切かからない。「合わなかったら退会すればいい」くらいの気持ちで、まず登録してみることをすすめる。
2. 担当者の質で判断する
同じエージェントでも担当者によって動き方が全然違う。連絡のレスポンスが遅い・提案案件の精度が低い・単価交渉を積極的にやってくれない、といった場合は担当者変更を申し出てもいい。遠慮する必要はない。
3. 単価だけで判断しない
提示単価が高くても、稼働時間・常駐条件・案件の継続性・エンド企業の雰囲気によっては費用対効果が下がることがある。単価は重要な指標だが、「時給換算でいくらになるか」「案件終了後に次が紹介されやすいエージェントか」も合わせて判断してほしい。
4. 会計ソフトと連携して収益管理をしっかりする
複数案件・複数エージェントで動いていると、収入管理が複雑になりやすい。フリーランスエンジニアの収支管理には会計ソフトを使うのが前提だ。どのソフトを選べばいいか迷っている人は「フリーランスエンジニアにおすすめの会計ソフト比較【実際に使った3選】」も参照してほしい。
まとめ
フリーランスエンジニアのエージェント活用についてまとめると:
- 複数登録は基本。1社だけに絞るのは機会損失になる
- 登録目安は3〜4社。「メイン2社+サブ1〜2社」が管理しやすい
- 総合型(レバテック)+特化型(Findy等)の組み合わせがバランスよくおすすめ
- 担当者の質は実際に使ってみないとわからない。合わなければ変更や別エージェントへの移行を検討する
- 登録は無料なので、迷う時間がもったいない。まず登録して情報収集から始めよう
フリーランス独立を考えているなら、案件探しを本格化する前に複数エージェントに登録しておくことをすすめる。選択肢が多い状態をキープすることが、フリーランスとして安定して動き続けるための一番の基盤になる。
以下にこの記事で紹介したエージェントをまとめておく。いずれも登録・利用は無料だ。


